断片的な情報に対する条件反射的反応や、議論を避ける

 現実世界の日常では、お店や駅の中といった公共空間で、知らない他人が独り言をつぶやいていたとしても、私たちは気にとどめません。また、知らない人たちがカフェや道端で話していたとしても、注意を払って聞き耳をたてない限りは、気にならないでしょう。

 ところが、コンピュータを通したSNSでは、現実世界における声の大小や人間関係の遠い近いに関係なく、文字や映像を通して波のように情報が押し寄せます。

 そして時に、私たちの目には、ある情報の一部のみが切り取られ、意図せず流れてくることがありますが、そこに前後の文脈は関係ありません。頭の中の思考は、条件反射するかのように勝手に進んでしまいがち。思考が支配されがち。

「きのこvsたけのこ」のような、他愛ない話題であれば、気分転換にもなってもいいかもしれません。ですが、議論に関する断片的な情報が、流れ弾のように飛んで来た場合に困るのです。しかも感情を乗っけてくるようなタイプが。

 偶然目の当たりにしたとき、感情を害さないように私が気を付けているのは、話の前提は何だろう?と一歩引くこと。

 間違っても、何か一言書いてやろう、反応してやろうと思わないようにしています。何か反応して書いてしまいますと、それが知らない誰かの感情を誘発し、その連鎖がつながり、いわゆる炎上になってしまう。気分を悪くされるのも私はいやですし、自分がそのような感情発生のトリガにもなりたくはありません。

 議論と言えば、いわゆるIT業界のソフトウェアやインターネットを扱う分野では、様々な技術情報を「自分で解決すべき派」と「他人に聞くべき派」と、これら中間の立場に大きく分けられます。お互い立場が相成れないため、定期的にどこかしらブログやSNS上で盛り上がり炎上するのがこのネタ。

 もし、真剣に議論を進めたいのであれば、お互いの前提を確認しあう必要があると思います。どのような場所、どのような人、状況を想定しているのかです。

 例えば学校かもしれませんし、職場かもしれませんし、セミナー会場かもしれません。そして、新人かもしれませんし、ベテラン、あるいは研究者の場合もあるでしょう。さらに、対応に喫緊の締め切りが迫っている状況か、又は、のんびりと数週間かけて対応したらよい場合もあるでしょう。

 前提ですら、非常に多くの組み合わせが考えられますので、前提の共通認識がなければ、お互いの理解も深まらず、議論の後に何も残りません。

 単純な言い合いをさけるためには、相手と自分の立場(賛成又は反対)を入れ替えて、それが自分の心からの主張と違っていたとしてもその場では、を行うことにより、お互いの議論とは別の新たな視点(相手がどのように考えているか)や答えが導き出せるかもしれません。

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