メールを読む

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Dominic AlbertsによるPixabayからの画像

※注:本稿の初出は http://pocketstudio.jp/logbook/ であり、投稿データを記録用としてサルベージしたものを校正した。

 俺はメールをチェックする。毎日チェックする。自分を確認するかのようにチェックする。ひたすらチェックする。今はもう5分10円の電話料金さえ気にならないぐらい、メールをチェックする。電話代なんか存在しないようにチェックする。

 メールが届いていないかチェックする。いろんなメールが届いている。親友からのメールもあれば、ダイレクトメールもある。まぐまぐで購読しているメールマガジンもあれば、自分で運営している掲示板から直送されるメールもある。はてには罵倒メールやら苦情メールもあるのだが、それでも俺はメールをチェックする。

 自宅からチェックする。自室からチェックする。モニターの前には世界が広がる。3年前は、せいぜい富山県内だけだった。でも、いまは日本国内のみならず、世界中からメールが届く。それが面白いのか、今日もチェックする。

 メールをチェックする。届いていない。”0件”。画面には無情の文字が流れる。なんとなく、寂しい。それでも、またメールをチェックする。チェックする。

 メールを開く。封筒の糊付けを柔らかく剥ぐように、メールを開く。そして、読む。なんでも無い文字の羅列なのに、目頭を熱くさせされる。メールをそっとしまい、また、他のメールを読む。ひたすら、読む。

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