ニュースでiモードが終わることは知っていましたけれど、まだ自分が持っている携帯端末機にも、直接、終了のお知らせメッセージが届いていました。
iモードとは、携帯電話からインターネットに接続できるサービスで、1999年2月に開始されたもの。今となってはスマートフォンを通して、インターネットができることは当たり前。パソコンがなくても、外出先でも、いつでも、どこでもネットワークにつながるサービス。その先がけとなった画期的なサービスが、このiモードと呼ばれるものでした。
文字メッセージをやりとりするシステムという意味では、ポケベルやPHSのメール機能が1990年代には流行していました。それらのシステムとiモードの違いは、2つあります。1つは、インターネット上のメールアドレスに対して、直接メールが送信できる点。もう1つは、インターネット上のウェブサービスに接続できたり、独自の課金システムを持つコンテンツ事業者のサービス(ゲームや音楽配信等)に接続できたりする点です。
どちらも、今となっては当たり前すぎるのですが、パソコンがなくても、どこでもインターネットに接続できるというのは本当に画期的だったのです。
そもそもインターネットに接続しようと思えば、当時はまずパソコンが必要でした。インターネット・プロバイダとの契約も必要でしたし、モデムというパソコンとインターネットの通信をやりとりする機材も必要ですし、これらの環境を整えた上で、かつ、そこそこのパソコンを操作する知識も求められ、とてもハードルが高いものでした。
それが、一気に私たちにインターネットを身近にしたのです。簡単に、インターネットを通したコミュニケーションを取れるように、そのハードルを下げたのです。ただただ電気屋や携帯電話ショップの店頭で、数万円で端末を購入するだけで。携帯電話のシンプルなテンキーを中心とした操作で、インターネットに接続し、コミュニケーションできる。
これは本当にすごい時代になる!これは来る!と当時の私は思ったものです。そのころ、パソコンを使ったインターネット上では、ICQというリアルタイムでコミュニケーションできるツールが流行していました。その機能からヒントを得たもの、メッセージ送信機能とプレゼンス機能(今が会話可能かどうか表示)を、iモード上で実装するのを当時試していたのを思い出します。
iモードに対する「感動」、という言葉はちょっと陳腐な印象もありますが、そのときに受けた新鮮な衝撃は、今も忘れられません。そして、そんなインターネットに関わる企業で働くようになりたいと改めて思い、そして、今はそうなっています。
それから20年がたち、インターネットが空気のように当たり前の社会インフラになり、改めて今はすごい時代になったものだと改めて感じています。
様々な社会問題も生みつつありますが、それでも、何もなかった時代には戻れません。課題はありますが、悩みながらも、私は皆さんと解決していきたい、そう改めて思ったのでした。