プレゼン研究会とは何か?「みんなで失敗経験を積もう」

この投稿は、プレゼン研究会 Advent Calender 2017 、1日目の投稿です。

はじめに

死ぬまで働かざるをえない時代の下、社会人の一人一人が、必要なときに、自分の言葉で、開かれた場所で発表を積み、知見をお互いに広げていく土壌づくりが必要。物語を考え、理解や行動を促すために、あらゆる手段を尽くすのがプレゼンテーション。とはいえ、速く走りたいからと練習せずに速くなったり、何もせず体重をダイエットできたりは無理。プレゼンも経験が必要です。失敗経験を一緒に積んでいきましょう。

エンジニアだからこそ、自らの言葉で発表する時代

みなさんは、勉強会やセミナーやコミュニティの場において、一度でも発表したことはありますか? もし発表したことがなければ、今こそ始めるチャンスです。

ここではプレゼンテーションの場面を「技術コミュニティにおける公開セッション」と想定しています。エンジニア界隈のコミュニティにおいては、技術的な知見や発明を他人に伝え、何らかの活動を促すのが目的と考えます。なぜなら、表に出ないビジネスの場、あるいは、学会や研究発表においては、それぞれの発表目的が異なると私は考えているからです。発表目的に応じて、発表者と聴衆の役割も変わりますので、発表形式も自ずと変わってくるでしょう。

そして大切なのは、公開セッションで発表できる機会が求められていると考えます。なぜ公開の場で発表するのが大切なのか。それは、お互い情報を交換し合いながら、学習せざるを得なくなった時代だからです。

今、私たちを取りまく社会が大きく変わりつつあります。とりわけ大きな要素が、人間の長寿化と、終身雇用前提の会社勤めという生涯モデルの崩壊、そして、科学技術の加速的な進歩です。これまでの人生とは、学校で勉強し、会社に勤め、家庭を築き、会社を定年まで勤め上げる、という一直線なモデルがありました。

ですが、社会人の皆さんはお気づきのように、学校で習ったことで死ぬまで食っていけることは無理になりつつあります。基本は学問を抑えていたとしても、実社会においては日々新しい変化に対応するため、情報収集や手を動かしての検証は欠かせないものでしょう。

例えば、クラウドという概念がありますが、扱う範囲は広大です。それはアプリケーションを動かす話なのか、開発やテストなのか、ネットワークか、それともサービスのスケジューリング、ノードのリソース管理なのか、等々。

恐らく、それぞれの分野を一人で全部カバーすることは、私を含めた並大抵の方には難しいのではないでしょうか。とはいえ、日々の業務、私たちの生活は続くわけです。目の前の課題に対応し続けるためには、常に情報のインプットや、自分の中での咀嚼は欠かせません。

一人一人の興味範囲や得意・不得意な分野は異なります。もしかしたら、あなたにとって全く役立たない些細な知見や経験が、もしかすると、他の誰かに貴重な知見たり得ると思うのです。

「めだかの学校」の「誰が生徒か先生か」ではありませんが、誰かに教えられる、あるいは教育の場を与えられるのを待つのではなく、自らが伝え、誰かと共有して知見を広めていくのが必要な時代になってきたと考えています。すごい人がすごい発表をするのではなく、誰でもないあなたの発表こそが。

とはいえ、発表は正直敷居が高い。そうだ、実践の場を作ろう

私は横田真俊さん(@wslash)と「エンジニアのためのプレゼン研究会」を共同主催しています。発表の必要性は分かるのですが、人前でどうやって話せば良いのだろう。これには正直、経験を積むしかないと思っています。

しかも、ただ発表するだけでなく、できる限りの失敗経験です。

よく、プレゼンテーションに関する書籍やネット上の記事があります。読むと自分もできそうな気になります。あるいは、他人のプレゼンテーションを見ますと、あれこれ文句を付けたくなる場合もあるでしょう。

しかしいざ、あなたが実際に発表する場面になると、そもそもどのように資料を作ったらいいのだろう、どのように発表したらいいのだろう、きっと路頭に迷うはず(というか、私自身がそうでした)。

そのため、自らの実験的な場所として、あるいは、同じように発表を志す人たちが気軽に参加できる場所として、2015年のあたまから始めています。私たちが業務やコミュニティでの発表は、基本的に常に本番しかなく、失敗は許されません。そうではなく、失敗こそが貴重な経験であるならば、皆で失敗経験を詰める場が必要と考えていました。

エンジニア~と冠していますが、職種問わず、幅広い方に御参加いただいています。もし御興味がございましたら、御参加ください。

エンジニアのためのプレゼン技術研究会
https://infrapre.connpass.com/

誰でもないあなたの発表こそ、意味がある

どうせ自分の中に知識やアイディアを溜め込んだとしても、移り変わる時間と環境とともに、陳腐化するだけです。発表が怖いですか? その気持ちは分かります。私もアウェー的な発表(その場や業界的に、主流ではない技術や手法)を行うときは、心が折れそうなことは何度もあります。ですが、技術的な裏付けがある何かであれば、誰もが検証可能な情報を提示することで、きっと誰かの役に立ちうると私は信じています。

発表の心構え、スライドを作る前に大切なこと(物語作り)、心が折れたときの処方箋など、テクニカルな話題については、アドベントカレンダーの残りのどこかや、発表の機会がありましたら、共有いたします。

それよりも是非、皆さんも登壇の機会があれば前にでて、あなたの知見を世の中に広めていきませんか。

 

さて、プレゼン研究会 Advent Calender 2017 、2日目は横田さんによる「プレゼンはトップバッターの方が良い」です。楽しみですね。アドベントカレンダーでは、皆さんが思っているプレゼンの失敗談やコツを共有いたします。プレゼン研究会に参加されていなくても、なにか伝えたい方がいらっしゃいましたら、是非、御投稿ください。お待ちしています。

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