社会人として、始めて大失敗した時の記憶

 人間、生きていれば誰しも失敗はあるのではないでしょうか。私自身、人生の中で何度も大きな失敗がありました。今でも印象的な失敗の1つが、社会人として働き始めて、始めての大きな失敗。お客さまのログの誤削除で賠償問題。油断大敵、そういう話です。

 私が始めて勤めた会社では、PCサーバの製造販売を手がける傍ら、サーバのホスティング事業とISP(インターネット・サービス・プロバイダ)を手がけていました。4月、新入社員の私が配属されたのは、ホスティングとISPのサポート部門。配属後は研修というものもなく、すぐに現場に配置されました。

 サポート業務で当時行っていたのは、Linuxサーバにリモート・直接ログインし、さまざまな状況確認やセットアップ、各種作業。これは今でいうOJT形式(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、つまり、仕事をしながら先輩から業務を教えていただくスタイルです。

 働き始めて3週間くらい。今から思えば油断していました。何の油断をしていたか? まさか自分が作業ミスをするはずがないという、ぼんやりとした思い込み。

 何故、油断したかと言えば、Linuxサーバでの作業は入社前から自分にとって手慣れたものだったから。あまりにも簡単すぎる作業内容だったため、ミスするとは想像もつかなかった事。

 その結果、お客さまの本番稼働中のサーバー上で、Apacheのログファイル1ヶ月分を誤削除するという失態を犯すわけです。

 誤削除の瞬間、今でも鮮明に覚えています。無意識でした。ウェブサーバーへのアクセス解析を行うために、ログファイルを圧縮してほしいという依頼。作業工数も少なく、難易度もゼロのようなもの。

 なのに、やっちゃいました。本来、gunzipで対象のログを圧縮すべき所、何を血迷ったか、ログをrmコマンドで削除、してしまいました。エンターキーを押して削除された瞬間、ハッと気づきます。ヤバイ、コレ本番だ、消しちゃったよ、あぁと。

 あとはもう上司に報告して、お客さまに報告し、結果として、損害賠償。当時の自分の給与1ヶ月分相当の賠償案件になりました。

 その時から気をつけるようにしたのは、2つ。

 とにかく作業前にバックアップを取るという事。事前の手順でも、どんな些細な作業でも、バックアップは行うべき。バックアップは大切。それを身に染みて感じました。

 もう1つは、油断大敵を忘れない事。慣れとは本当に恐いもので、緊張間の緩みが大事故につながってしまうのだと。

 このログ消失事件は、今でもハッキリおぼえている厭な事件です。この失敗は、当時の自分に録っては手痛かったのですが、そのお陰で、後々の失敗が回避出来たのかな。そう思い込むようにしています。

 蛇足ですが、あのとき、営業担当としてカバーして頂いたIさんには、今も頭があがりません。本当にありがとうございました。そのあと、東京でのお酒の席で、いつか上京します的な事を酔った状態で直筆宣誓して(今思えば何をやっていたのか)、それが脳裏に強く焼き付いたおかげで、こうやって上京して、ここで今でも、こうやって業界の仕事を続けられているというのは、不思議な縁というか、人生不思議でなりません。ありがたいことです。

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